骨粗しょう症(骨粗鬆症)とは
骨粗しょう症(骨粗鬆症)とは、骨がスカスカになり骨折しやすくなる病気です。
しかも、骨全体が弱まって骨折してしまうため、折れてしまった骨が元に戻るまでに
時間がかかるようになってしまいます。
また、骨折が原因で日常生活行動(ADL)の低下、さらには寝たきりになってしまうことが
大きな問題となっています。
骨粗しょう症の患者さんは、女性が約800万人、男性が約200万人、合計1000万人と
推定されています。これは、高齢化社会に伴ないさらに増加していく傾向にあります。
女性は、ホルモンのバランスが大きく変化する閉経後、骨の量が急激に減るため、
骨粗しょう症になる人の割合が高くなります。
男性は、女性に比べると、骨粗しょう症になる人の割合は低いですが、
加齢と共に腸管からのカルシウム吸収が低下するため、
70歳を過ぎると骨粗しょう症になる人の割合が高くなります。
骨粗しょう症の種類は、大きく二つのタイプに分けられます。
(1)原発性骨粗しょう症:原因がわかっていない骨粗しょう症 なかでも圧倒的に多いのは、
閉経を迎えた50代から70代までの女性に多い閉経後骨粗しょう症、
そしてそれ以降の高齢者に見られる老人性骨粗しょう症です。
(2)続発性骨粗しょう症:原因がわかっている骨粗しょう症
原因としては
1-各種内分泌疾患
2-胃切除
3-ステロイド製剤の服用など数多くのものが知られています。
骨粗しょう症の治療法
まずは、自分がどのような症状かを知ることから始めましょう。
(骨粗しょう症の診断を参照)すでに、骨粗しょう症になってしまっている方は、
食事療法・運動療法・薬物療法の3点で治療を行ないます。
また、まだ骨粗しょう症になっていない方は、食事療法・運動療法を心掛けることによって
骨粗しょう症の予防をすることができます。
【食事療法】
日常生活における、骨粗しょう症予防のための食事療法の基本的な考え方は栄養素を
過不足なく摂取することです。
日本人の高齢者において、800㎎/日以上のカルシウム摂取で
ようやくカルシウム出納がマイナスにならないことがわかっています。
更年期、老年期の骨密度減少を抑制するためには、最低でも800㎎/日以上のカルシウム摂取が
必要です。また、カルシウムの吸収をよくするためにビタミンDの多い食品を組み合わせることも
大切です。
【運動療法】
運動習慣を身につけ、適度に骨に負荷をかけてあげることが、
骨密度を保ち骨折を予防するのに役立ちます。
また、屋外に出て日光に当たることで皮膚から体内へのビタミンD産生を促すことができます。
散歩(ウォーキング)や買い物に行くなどこまめに体を動かすことを心がけましょう。
【薬物療法】
骨粗しょう症の基本的な治療法はあくまでも食事で
・十分なカルシウムを摂る
・運動をする
・日光を浴びる
の3点です。
しかし、骨密度が大幅に減少している人は、このような生活改善だけで
骨密度を増やそうというのは無理があります。
そこで、少しでも効果を高めるため、これらの生活改善と並行して薬による治療も行ないます。
これらはほんの一例です。他にもたくさんの処方があり、使うお薬はその方の体質に合わせて選びます。
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