認知症

中医学の観点から認知証を見た場合、その原因は大きく分けて、 痰濁、瘀血、精気虚の3つがあげられます。
痰濁 痰とは、水と脂質の代謝障害により、体内に生じた病理産物。 これが脳をふさぐと正常な精神活動が阻害され、また血管の内壁に血脂が沈着する状態を「痰濁」 といい、特にこれが脳の血管に起こる(脳動脈硬化)と認知証の原因となります。
瘀血 血液の循環障害のことです。認知証には大脳皮質の萎縮や脳動脈硬化などが 原因としてあげられますが、それらはすべて血液と密接な関係があります。 精気虚 精気、つまりすべてのエネルギーが衰えることを意味します。
認知証が代表的な老人病であることは、まさにこの精気虚、特に脳のそれと無縁で無いことを 示しています。
この3つの原因を防ぐことが認知証の予防につながります。
中医学的には活血、化痰、補気益精を基本とし、その人の症状や体質に合わせた治療が必要です。
活血作用のある冠元顆粒や血府逐瘀丸、活血、化痰作用のある心沙棘などを基本処方とし、 それぞれの体質に合わせた処方を併用します。
①肝腎陰虚証 めまい、耳鳴り、足腰のだるさ、手足のほてり
       +杞菊地黄丸
②風痰火証 興奮しやすい、認知能力の低下、暴力的、不眠、頭痛、めまい
       +釣藤散
③痰濁証 ストレス、肥満、膨満感、食欲不振、
       +温胆湯
④腎精不足証 行動が緩慢、思考力低下、記憶力の減退、脚や腰がだるい、耳鳴り
       +八味地黄丸、海馬補腎丸など
⑤気血不足証 顔色が悪い、息切れ、発汗、倦怠感
       +人参養栄湯、帰脾湯など
⑥脾腎陽虚証 息切れ、倦怠感、寒気、手足の冷え、足のむくみ
       +参茸補血丸、真武湯など


これらはほんの一例です。他にもたくさんの処方があり、使うお薬はその方の体質に合わせて選びます。
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