花粉症の漢方療法・自然療法

花粉症の漢方治療は、長期間に漢方薬を飲み続けないと効かないと思っている方も多いと思います。
漢方薬には長期間に服用して体質を改善する根本治療と、症状だけを改善する対症療法があります。 症状にぴったり合った、対症療法の漢方薬を服用すると、即効性があり、西洋薬のような、 眠気や口の渇きに悩まされることもありません。
症状を軽減するのは、今からでも間に合いますよ。

漢方療法

漢方療法

対症療法
体質や薬を「寒」「熱」で分類し、「寒」体質の人は温める薬を、 「熱」体質の人は冷やす薬で、体質のバランスを調節します。
風寒型
水のような粘り気の無い無色透明の鼻水は、体が冷えた状態で、水分代謝をコントロールする肺の 機能が低下し、余分な水分が停滞してあふれているのです。
このような場合は体を温め、体内の過剰な水分を取り除く効果のある漢方薬で治療します。 代表的な処方は小青竜湯・麻黄附子細辛湯・苓桂朮甘湯などです。
風熱型
体が熱っぽく、目・鼻・のどの粘膜が赤くはれ、鼻水も粘ってつまる場合は、体の熱を取り除く (消炎効果のある)漢方薬で治療します。代表的な処方は銀翹散・天津感冒片・辛夷清肺湯・鼻淵丸 などです。

根本療法

根本療法

「衛気」の力を高めて、皮膚・粘膜の防衛力を強化。花粉を侵入させない体質を作りましょう。
中医学には花粉症になりにくい体質作りの方法があります。 体にはもともと外敵から身を守る防衛力が備わっていて、これを「衛気」といいます。 「衛気」は体を見えないバリアですっぽりと覆っていて、この「衛気」の力が弱くなると、 花粉やウイルスなどの外敵が侵入しやすくなり、花粉症になってしまいます。 「衛気」を高めることで花粉症にならない体質に改善しましょう。
衛気を強化する生薬の代表は「黄耆」です。 黄耆を中心にした漢方薬、玉屏風散(ぎょくへいふうさん)は、 宝石のような素晴らしい屏風(びょうぶ)という意味があります。 つまり、体に屏風を立てて風邪や外敵から守ってくれる、衛気を高める漢方薬なのです。
玉屏風散は、中国では花粉症や、風邪、インフルエンザ、喘息などの病気の予防に用いられます。
去年流行したSARSにも予防薬として使われていました! 日本では「衛益顆粒」の名前で販売されています。

ハーブ療法 

ハーブ療法 

ハーブティー
ハーブティーは有効成分の効果だけではなく、お茶として飲む時にその揮発成分を 鼻から香りとして吸い込むことによるアロマテラピー効果があります。
気分も和げるので花粉症には有効な対処法です。
・エルダーフラワー
インフルエンザの特効薬といわれます。
エルダーフラワーに含まれるフラボノイドには、抗アレルギー作用があり、 カタル症状(粘膜の炎症)鎮めるので、花粉症の治療に使われます。 
鼻水が多い時+ローズヒップ
頭痛がする時+ユーカリ
目の痒み・充血+カモミール、ダンディライオン
鼻がつまる時+ペパーミント
・ジャーマンカモミール
体を温めるハーブで、抗アレルギー作用の他、ストレスや不眠にも有効です。冷え性で、 水様の鼻水やくしゃみが止まらない時に、リンデンやシナモンとブレンドして飲んでみましょう。
・ネトルエキナセア
体質改善のためのハーブです。抗アレルギー作用があります。
普段から服用しておきましょう。

アロマテラピー

アロマテラピー

ユーカリやティートリーのエッセンシャルオイルには強い抗菌力があり、 ハウスダストを浄化して室内の空気をクリーンに保ちます。
また、クールな香りは気分のいらいらを和らげ、消炎作用により粘膜の炎症や熱を鎮めます。 アロマポットに入れて芳香浴しましょう。
鼻づまりのひどい時は、マスクにペパーミントのエッセンシャルオイルをつけてみましょう。


これらはほんの一例です。他にもたくさんの処方があり、使うお薬はその方の体質に合わせて選びます。 メール相談をご希望の方は問診表にお入りください