めまいとは何か?

めまいは頭痛と同様にありふれたもので,日常生活の中でも体験する事が多い症状です。
健康な方でも「地震かな」と周囲のヒトに尋ねた経験もあると思います。
めまいを定義しますと安静にしている時あるいは運動中に、自分自身の体と周囲の、 空間との相互関係・位置関係が乱れていると感じ、不快感を伴ったときに生じる症状 とされています。
一般的には自分自身か、または周囲が動いていないのに動いているという 違和感のあるあやまった運動感覚を感じているときに、めまいがあると訴えることが多いようです。
具体的にはぐるぐるまわる感じ、ふわふわまたはゆらゆらする感じなどで訴えられたいます。

めまいが起こったらどうすればよいか?

めまいが起こったらどうすればよいか?

めまいには大きく分けて、周囲や天井がぐるぐる回る回転性めまいと、体がふらつく、真っ直ぐ歩けない、 などの浮動性めまいがあります。
回転性めまいは内耳からくることが多く、難聴、耳閉感、耳鳴などの 聴覚症状を伴うことがあります。
一方、浮動性めまいは立ちくらみ、頭痛、しびれを伴うことがあり、 体や頭を動かしたときに増強することがあります。
高齢者の方の浮動性めまいでは高血圧、高脂血症、糖尿病、心疾患などの併発症が しばしば見られます。めまいの発症が急な場合には回転性めまいが多く、吐き気・嘔吐が見られ、 この場合には部屋を暗くし、安静にして横になるとかなり楽になります。
乗り物酔い止め、吐き気止めの服用も有効です。
しかし、なかなか症状が改善しない、手足のしびれ・麻痺・頭痛などの症状がある場合には 小脳出血などの脳疾患の可能性もあります。また、聴覚症状がある場合には早期の治療が 必要ですので、これらの場合には救急外来ないし耳鼻咽喉科,神経内科,脳外科等をできるだけ 早く受診して下さい。
発症が緩徐な場合でも、長く続く場合には脳や頚椎、 全身の疾患が隠れていることがあるのでやはり詳しい検査が必要です。

めまいの予防

めまいの予防

めまいと一口にいっても、いろいろ原因があります。
内耳や脳の循環障害により生じるめまいは、血液中のコレステロールが高くなったり、
血圧が高くなったり、不整脈など循環器系の障害があると起きやすくなります。
そのため、脳梗塞などの脳血管障害や心筋梗塞など虚血性心疾患の予防と同様に 普段から食生活や嗜好品に注意し、定期的に検診をうけておくことをおすすめします。
糖尿病は体の各部の循環障害をおこすので注意が必要です。
また、メニエール病などの内耳性めまいの発症には自律神経の不安定も大きくかかわって いるといわれています。自律神経を安定させるためには、夜更かし・暴飲暴食などを避け 規則正しい生活をすることが必要です。
また精神的なストレスも自律神経を不安定にするので、精神的な面でもゆとりのある生活を することが予防となります。なおふらつきや転倒は、脳や内耳の不調でおきるだけではなく、 足腰の筋肉が弱っても原因となります。現代人は運動不足になりがちなので、
特に中高年の方は歩くなどして、足腰を鍛えましょう。
運動は内耳や脳を刺激し活性化して、老化するのも防止します。

生活習慣とめまい

生活習慣とめまい

めまいの症状で病院を訪れる患者さんの問診では、過労、睡眠不足、職場の対人関係でのストレス、 さらに家庭内のストレスなどのお話がしばしば聞かれます。
このようなことがめまいの背景因子のひとつになっている場合も多いようです。 従って、肉体的・精神的ストレスが蓄積しないように規則正しい生活を送り、 精神的にもリラックスした状態を維持することがめまいの予防として大切なことです。
次に、めまいの起こりやすい年齢は疾患によって多少の差がありますが、一般的には40~60歳に 多いと言われています。女性ではちょうど更年期障害の時期とも重なります。
また、季節的には春先や秋口などの季節の変わり目に多く、自律神経機能とも関連している 可能性があります。
めまいの起こりやすい体質は、低血圧、貧血、アレルギー体質などがあげられます。 糖尿病、高脂血症、心臓病、高血圧症(降圧剤の服用)などのいわゆる成人病の既往歴を持つ方が多く 認められます。
また、暴飲暴食、大量喫煙などに伴う生活習慣病にも注意しましょう。
血圧とめまいの関係については、一般的に低血圧症の人にめまいが起こりやすいと考えられています。
一方、当然のことながら高血圧症もめまいの原因になりますが、高血圧症の方でもお薬によって血圧が 下がりすぎてめまいが起こる場合もありますので、降圧剤を長期間に亘って飲んでいる方は 血圧の定期的なチェックを是非お受け下さい。


これらはほんの一例です。他にもたくさんの処方があり、使うお薬はその方の体質に合わせて選びます。メール相談をご希望の方は問診表にお入りください