肩こりとは?
頭と首の骨を支えている肩周辺の筋肉が疲労し硬く緊張した状態で
「重い」「だるい」「痛い」「はる」等の感覚を、総称して「肩こり」と呼ばれています。
そうしてもう一つ内臓疾患の症状として「肩こり」が現れることがあります。
肩こりは体のサインといわれます。体のSOSです。
肩こりがひどくなると頭痛、吐き気がする、
歯が痛くなる、やる気は失せ集中力はなくなる、身体はだるくなり眠りが浅くなる、
スッキリとしない、便秘、下痢をするなどといった肩こり以外の症状が現れます。
肩こりは病名ではなく、結果としての症状であり症候群ともいえます。
肩こりは身体のためにいろいろなサインを出しています。
「たかが肩こり されど肩こり」
たまには身体の声にも耳を澄ましてあげましょう。
「肩こり」は放っておくと体の感覚が鈍くなります。
肩こりの原因
肩こりのメカニズムのところで緊張→こわばり→血流循環不足→痛み→緊張の悪循環がこりを
生み出していると説明しました。
でもどうしてこの悪循環が起こるのでしょうか。
その代表的なものをあげてみます。
1-素質・体型
体型 肥満や、やせ過ぎなどが原因で筋力が衰えていると、肩こりになりやすい。
また、なで肩など体型によって肩の筋肉に負担がかかりやすい人がいる。
猫背、いつも下を向いている人も同様。
筋肉質/なで肩やストレートネック/肥満/筋力が弱い
2-目の疲れ
・メガネやコンタクトレンズが合っていない
・ ゲームやパソコンなどを長時間続ける
・まばたきの減少(ドライアイ)
メガネやコンタクトレンズが原因の一つだとしたら一度眼科のお医者さんに相談してみましょう。
このタイプのこりは肩こりだけでなく 額やこめかみなど、顔の前面が締めつけられるように
こわばって痛くなり肩こりもひどくなります。
また眼が疲れると目の周囲にある眼輪筋が緊張しています。
そして焦点がぶれないように頭を固定しますので首肩がこってきます。
特にこめかみと首の後ろ側がこってきます。
3-歯の病気
顎関節症、噛み合わせが悪い、歯ぎしり、くいしばりが強い、入れ歯が合わない、
虫歯、親知らず、歯周病などがありますが、いまは顎関節症の肩こりやストレスで
無意識にくいしばる肩こりが多くみられます。
逆に歯が痛くて歯医者さんに行ったら肩こりが原因といったこともあり
一度両方の専門家に診てもらうといいでしょう。
噛み合わせがかなりひどい人は マウスピースのようなテンプレートが有効な場合があります。
顎関節症は口腔外科で対応しています。
ここ十年で矯正歯科でも噛み合わせの治療をおこなっているところがあります。
重症な場合は肩こりはもとより腰痛になる人もいます。しっかり治しておきましょう。
4-骨・筋肉の異常
骨(首などの)に何らかの異常が起きて神経を圧迫し、痛みやしびれを起こすことがあります。
首を曲げたり腕を上げると肩が痛んだり、しびれてくるような場合には、
整形外科などで検査をお勧めします。
ただのこりならいいのですが。病名としては、頸椎椎間板ヘルニア、変形性頸椎症、
頸椎脊柱管狭窄症、頸椎腫瘍、後縦靱帯骨化症、骨棘、捻挫(むちうち)、
打撲、頸肩腕症候群などがあげられます。 このタイプは防衛緊張となっています。
5-同じ姿勢を続ける
長時間同じ姿勢を続けていると肩こりになります。
デスクワークでパソコンを見続けている方などはその典型です。
同じ姿勢を続けていると姿勢を保持しようと緊張状態が続き、
血液の循環が悪くなるために肩こりになります。
6-内臓系の異常
狭心症、心筋梗塞など肺がん、糖尿病、高血圧、低血圧、貧血、胃炎、胃潰瘍など
内臓系の病気を患っていると肩こりを起こすことがあります。
その場合には、肩こり以外の症状(頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、背中の痛みなど)
が起こるので、内科に相談をお勧めします。胃が緊張して肩こりになる場合もあります。
・呼吸器の病気……喘息、扁桃炎 肺の肋膜癒着(ろくまくゆちゃく)、横隔膜(おうかうまく)の異常、肺の腫瘍、肺がんが脊椎(せきつい)に転移している場合など。
・ 心臓の病気……高血圧、低血圧、狭心症、心筋梗塞など
・ 胃の病気……胃潰瘍、胃がんなど
・ 胆(たん)のうの病気……胆石症など
・ 膵(すい)臓の病気……慢性膵炎など
7-ストレスなど
ストレスやうつ病などで、精神的に緊張したり悩んだりすると、筋肉や血管も収縮してしまいます。
そのため血行が悪くなり、筋肉に老廃物がたまってしまい肩こりになるのです。
心の元気がなくなると運動量も減っていきますので筋肉が硬くなり肩こりの原因を作ってしまいます。
軽いストレスやうつ病などはマッサージで軽快することがあります。
8-原因のない肩こり
仕事柄よく遭遇するのは原因がないけれど肩がこるタイプです。
筋肉の素質によって肩こりになると私は考えています。
これらはほんの一例です。他にもたくさんの処方があり、使うお薬はその方の体質に合わせて選びます。メール相談をご希望の方は問診表にお入りください